今回の展示のテーマは「視点」でした。
会場の独立した展示台は低いものは作らずに高さを70センチ以上のもので構成しました。
大人の視点から見ると器の展示会だったと思います。
視点を低くしていくと展示台の上に置かれた作品は見えにくくなり展示台はビルのような建造物のように見えてきます。子供の視点や犬などの動物の視点(床から近い視点)で見ると器の展示ではなくなり、違う物が見えてきます。
ビルの隙間を走る小さいトラックや角に隠れているネズミのおもちゃ。展示台の下面にある絵などが視界の中に入るようになります。
来ていただいた方の中にはお子さん連れの方も多く、犬も来ました。実際にお子さんが隙間にあるトラックを見つけて遊んでいたときは嬉しかったです。犬も会場をくまなく散策していたので何か見つけていたのかもしれません。引用題材にしたことが2つあります。
赤瀬川源平が手押し台車に乗り移動することで犬の視点で世界を見るというフィールドワークをしていたこと。
千葉昌也さんが美術館の展示で陸亀の視点に合わせて作品を展示していたこと。
同じ場所でも視点が変わると世界が変わるという体験を自分の展示の中で試みました。
場所 アトリエ
期間 2024年 1月26日−1月29日
展示構成 広瀬陽
デザイン 安齋朋恵
写真 安齋朋恵